人はそれぞれ当たり前のように明日が来ると思って生きている。
しかし病に侵されるとその「当たり前」が簡単じゃなくなることもある。何度も健康について書いてきたが、今回は80代のおばあちゃんの話。
元々元気いっぱいで牛肉のレアのステーキとモンブランと美味しいブラックコーヒーをこよなく愛する女性と聞いていた。
そんなおばあちゃんがある日突然吐血し検査をすると食道がんに侵されていたことが判明。
即入院し、放射線治療が始まってみるみる弱っていった。
しかし高齢なのと癌の進行が遅いため抗がん剤は使わず放射線治療を終え自宅療養となった。
脳にも少し転移をし左側に麻痺が少し見られるようになったが放射線がピンポイントで効いて麻痺も減ったという。
現在は寝てばかりでとにかく体が辛いとのこと。
ここで大事になってくるのは本人の生きたいという気持ちと、免疫力の強化である。
同居の娘さんはまだまだ長生きしてもらいたいため、色々目標を作ってもらい一つずつ達成し日々過ごすよう心掛けていると言っていた。
そんな状況の中、日々お婆ちゃんの体調が変わるがどうしても味噌を一緒に仕込んでほしいとの依頼があったので出張して教えることになった。下準備はすべて私がしてあとは大豆を潰すところから始めればいいようにしていった。
お婆ちゃんはニコニコと味噌を仕込む工程を見ていてくれた。
娘さんと私が一緒に作業を進めて、無事に仕込みが終わった。
最短で二か月後には味噌を食べることが出来るので、「出来上がる二か月は生きないとね!」と娘さんに励まされていた。
味噌作りが生きる目標、希望になってくれるなんて大変勉強になった。
少しでも体調がすぐれないと人は心も弱くなってしまうし、ネガティブな思考になっていく。とにかく明るい出来事を想像できるように心がける。お婆ちゃんに好きな食べモノを聞いたり、普段何しているのか聞いたり楽しい時間を過ごすことができて感謝である。
入院していた時、夜中に突然部屋の扉が開いて死んだはずの旦那さんがそこに立っていたと。「お迎えに来て驚いたのよね~」としみじみと語っていた。「でもまだお迎えには早いですよ。もう一度お迎えに来たら私に教えてください。」と返したらお婆ちゃんが笑ってくれた。
免疫力を上げるには笑うことは本当に大事。NK細胞が増加して悪い細胞が減少すると言われているんじゃなかったかな。
自分が今勉強をしている発酵について、今後誰かのためになるのではないかと思ってきた。
味噌を作ることは工程としてはとっても簡単だが、良質の大豆を仕入れて安心な材料で作るように心がけている。
自分で作ると愛情も生まれるのでより味わって食べることもできる。
予防医学にも発酵食品はなくてはならないもの。
どんどん摂取してもらいたい。
少しずつ健康の輪が広まりますように。
そして癌で苦しんでいる人が楽になりますように。