私は普段あまり泣くことはない。
ある時期毎日泣いていたので、泣きつくしたってのもある。
20代後半は毎日泣いていた。
気丈でかっこいい尊敬する母親が寝たきりになって、話すことも出来ない状態のお見舞いに毎日通っていた。
母親の前では明るくふるまい、日常のことを話して目で感情を読んでいた。時に泣き叫んで喜ぶこともあったり、「あーうー」と言いながら怒ることもあった。
ふとテレビから60年連れ添った夫婦の介護の話が流れてきて、フラッシュバックのように母親のことを思い出し涙が溢れてしまった。
90代の旦那さんが脳梗塞で倒れた奥さんのお見舞いに毎日通っている姿に涙である。体力をつけるため90代から筋トレを始めるお爺ちゃん。最後の最後まで明るい言葉を奥さんにかけ続けるそのメンタルの強さ。
最後の最後まで悔いなく寄り添っていた。
そんなご夫婦が存在するんだなと。
何年も介護をすると先が見えなくなり疲弊していくのが普通である。自分も疲れ果てた。
でもその経験があるので同じような立場の人の気持ちもわかる。
全て必要なことしか起こっていない。
自分は泣くことが少ないから「たまには思い出して泣いてみたらいいじゃない。」と上から聞こえてきたような気がする。
涙はデトックス。
何だかスッキリした。